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イベントレポート2016/11/21

CMC向け ICH M7セミナー

CTCライフサイエンス株式会社(以下、CTCLS)は、2016年11月21日(月)、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社セミナールームで「CMC向け ICH M7セミナー」を開催しました。近年、ICH M7ガイドラインへの対応に向けて、CMC領域の研究者間で、既知毒性情報の検索や分解生成物のシミュレーション・同定、Purge Factor予測への興味度の高まりを背景に多くのお客様が来場され、当セミナーは満員で終了いたしました。

Lhasa社毒性試験データベース Viticのご紹介

登壇するCTCLS 茂木 邦雄

講演者
CTCLS 技術開発部 技術第5課 茂木 邦雄
CTCLSでLhasa社製品全般を担当する茂木が、毒性試験データベース「Vitic Nexus」の最新のデータアップデートから活用例について発表しました。
先ず、ICH M7ガイドライン「第6章ハザード評価の要件」(引用https://www.pmda.go.jp/files/000156367.pdf)にも記載されていますが、同ガイドラインへの対応に向けて、研究者による文献・データベース検索による初期分析や、毒性予測の妥当性を指示する更なる根拠を示す(エキスパートレビュー)が必要とされるなど、既知の毒性試験データを効率的に取得する重要性が高まっています。これを背景に、近年、Lhasa社Vitic Nexusはグローバルで導入ユーザーが拡大していますが、国内でも、自社化合物の毒性ハザード評価の目的で、毒性予測システムDerek NexusとVitic Nexusを併用するケースが目立ってきています。

Vitic Nexusは、インターネット接続できる環境があればWebブラウザー上で使用できます。Viticは、化合物構造始め毒性エンドポイント、毒性試験の種類、生物種、試験結果(positive/negative)などを検索条件として、目的のデータを探し出すことが可能です。セッションの中で、CAS番号に基づき既知毒性試験情報を検索する一連のシナリオに従ったライブデモを行いました。Vitic Nexusに登録されている化合物の中には、GLP適合可否、どのOECDガイドラインに従って試験が実施されたのか、など個々の毒性試験データの信頼性を評価するための情報の詳細さには定評があるため、それらについて具体例を紹介しました。

また、Derek Nexusの予測に加え、Vitic Nexusを用いたExpert Judgeの活用案について具体例を紹介しました。Derek NexusでNegative Prediction“contain misclassified features”(Derekのアラートにはヒットしないが、既知に変異原化合物に共通する部分構造が見られた場合)と予測された際に、Vitic Nexusで当該部分構造を包含する化合物に対してAmes試験陽性の結果が報告されていなければ、陰性としての結論を支持する情報として活用する方法について提案しました。

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※トライアル開始前に、評価期間、ユーザー数などについて、書面での合意が必要となります。

Lhasa社分解生成物予測ソフトウェア Zenethのご紹介

登壇するCTCLS 原田 恒博

講演者
CTCLS 技術開発部 技術第5課 原田 恒博
このセッションでは、 CMC部門における安定性試験(苛酷試験)の戦略と照らし合わせて、Lhasa社分解生成物ソフトウェア「Zeneth」が担う役割や実現可能な分解生成物の予測について解説しました。医薬品の成功率に影響を与える要因の一つとして、化学物質としての安定性が挙げられており、一般的に製薬会社のCMC段階で、各種安定性試験が実施されているものの、分解生成物の有無判定や構造推定の難しさなど現状多くの課題があります。これに加えて、ICH M7ガイドラインは低いレベルの分解生成物まで同定するよう要求しており、研究者にとって大きな課題に直面している状況と言えます。

Zenethは、化合物の構造からその分解生成物を予測する知識ベースのソフトウェアです。Zenethは、多くの知見から得られる化合物の部分構造と各種反応条件(温度、酸或いはアルカリ存在下、ラジカル共存下、光条件下等)の経験則を定義した知識ベースにより、定性的分解予測を行います。そのため、ZenethはICH M7ガイドラインにおける分解生成不純物の同定・選択する際の指標として役立てられると考えられます。
Zeneth活用事例として、海外メガファーマが苛酷試験におけるZeneth有効活用を図るため、過去プロジェクト化合物のZeneth予測と実際の実験(Forced Deg:苛酷試験結果,ACTUAL Deg:加速試験、長期保存試験)結果との関係を示した実例には、参加者からの興味を大いに引きました。

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Lhasa社ICH M7対応 変異原性不純物残存予測ソフトウェア Mirabilisのご紹介

登壇するLhasa社 William Drewe 氏

講演者
Lhasa Limited  William Drewe 氏
このセッションでは、Lhasa社のWilliam Drewe氏が、2017年初旬のリリースに向けて、Lhasa社を中心とした世界中の製薬メーカーとのコンソーシアムが開発を進めている、変異原性不純物残存予測ソフトウェア「Mirabilis」の最新の開発状況について発表しました。
Mirabilisは、反応工程と遺伝毒性不純物の構造を入力すると、反応性、溶解性、揮発性などの各種物性パラメータと化学反応条件をもとにPurge Factorを算出し、最終生成物中の残留量を算出するin silico予測ソフトウェアです。この数学的手法による標準化されたスコアリングシステムに基づくリスク評価は、AstraZeneca社Teasdale 氏により提唱されました。このセッションでは、Purge Factorの算出方法について詳細に解説しました。

またICH M7ガイドラインの管理戦略に関して、オプション4適用の妥当性を示すために、不純物の物理化学的特性及び工程要素に基づく推定Purge Facotrを活用出来ることが出来ることが明記されており、遺伝毒性不純物の管理戦略を策定する上で、Mirabilisの意義・重要性を説明しました。
Mirabilisのコンソーシアムは3年間のプロジェクトの最終年で、これまでAbbvie、Rocheなどメガファーマを中心に16製薬会社が参画し、ツールの開発に向けてデータの提供や評価を行ってきています。ソフトウェアの開発を通じて、Purge Factor算出方法の標準化を目指しております。また、このシステムが予測した結果が、規制当局に受け入れられるために十分な機能の搭載や信頼性確保を意識した製品開発および当局への働きかけを継続しています。

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Wiley社有機合成反応予測ツール ChemPlannerのご紹介

講演者
CTCLS 技術開発部 技術第5課 茂木 邦雄
このセッションでは、2016年にリリースしたWiely社有機合成反応データベース・反応予測ツール「ChemPlanner」の製品概要、基本機能、業務へのアプリケーションについてデモも交えながらご紹介しました。
ChemPlannerは、既知の有機合成反応の検索に加え、未知の有機合成反応を予測することが出来るオンラインツールです。約100種類の学術雑誌に掲載された論文を著名なキュレーターが査読して抽出された反応情報データベースを構築しており、その高い品質を特長としております。約180万件の反応情報から、独自のアルゴリズムにより数万件の反応ルールを導き出し、最終生成物から新規の逆合成反応予測をするという画期的なソフトウェアです。
ChemPlannerはWeb画面上で利用できるSaaS型アプリケーションで、容易に導入できます。画面上で最終生成物の化学構造式をクエリに入力すると、最終生成物へと至る既知有機合成反応を検索できるだけでなく、既知知見がヒットしない場合においても、最終生成物へと導く出発物質や試薬を含めた化学反応が予測されます。併せて、その化学反応に用いられる試薬の価格も明示されるため、コスト効率の高い化学反応の探索にも利用できます。

このように、ChemPlannerを利用することで、既知の有機合成反応情報の検索や新規合成経路立案の時間を大幅に短縮することで、生産性を大きく向上させます。更に、有機合成研究者の発想を超えた、新たな合成経路も提案するので新たな発見にもつながり、創造性の向上といった効果をもたらします。
現在CTCLSでは、ChemPlannerにご興味を頂いたお客様向けに、最大で1か月評価可能なトライアル版を提供しています。ご希望の方は、コチラの問い合わせフォームから「ChemPlannerトライアル」とお書き添えの上、お申込みください。

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製薬企業によるパネルディスカッション

最後のパネルディスカッションでは、約1時間にわたり参加者からの質問が途切れることなく相次ぎ、活発な議論が行われました。「Purge Factor算出に必要な反応性や溶解性の値について、Mirabilisではどのような根拠に基づいて設定されているのか、また、根拠情報として提供されるのか。」、「Mirabilisがカバーしている不純物の種類、化学反応の種類は何か?」など、科学的な観点からの質問が多く投げられ、それに対しLhasa社は回答しました。
また、CMC領域の不純物管理に携わる現場研究者ならではの疑問として、in silicoを用いたPurge Factorの取扱いや実測データとの併用など、運用を想定したものが多くありました。その興味度の高さから、日本国内の各社で、今後in silicoを活用した不純物管理戦略を本格的に検討していることがうかがわれました。
そして、Purge Factorを提示した際の規制当局の反応については、最も高い関心が寄せられていました。これについては、今後導入が拡大するにつれ事例が増えていき、公開できる知見が増えていくものと見込んでいます。参加者のアンケートにあった「最後のパネルディスカッションにて具体的な事例を用いた研究をしてみたかったです。」という声を受けて、Lhasa社と共同してCTCLSは、今後はより深く有意義な議論ができるよう取り組んでいきます。

製品紹介ページ

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※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください
※部署名、役職名、その他データは、イベント開催当時のものです。